気持ちいい〜 超気持ちいい〜 (競泳後のクッキングパパのまこと)

マジシャン(以下マ)「それでは好きなカード1枚引いてください、私に見えないように、その数字を見て憶えてください、
いいですか、憶えましたか?ちゃんと憶えましたね、忘れてはダメですよ、
それでは、そのカードをこちらに返してください」


―――――20年後


マ「どーも奥さん、あの時のマジシャンです。
奥さんが、まだ小学生だった時に公民館にマジック公演に来たマジシャンですよ。
え? 憶えていませんか? 私のことは憶えていなくてもカードの数字は憶えているでしょ?
あなたが引いたカードは、ダイヤの3で間違い無いですね、驚いたでしょ、20年越しのマジックだなんて!
・・・え? ダイヤの3だったかどうか憶えてないって? テメコノ! 俺の20年をナメてんのかコノ!
俺がどんな思いで、この20年生きてきたか分かってんのか! コノ!
結婚までしくさりやがって! 俺なんかこの歳でまだ未婚だってのによ!
・・・俺ぁ、あの時からアンタのことがずっと好きなのによ! 畜生、畜生、ナメやがって!
こっちは20年かけてやっとカードの数字を伝えることができたってのに、憶えてませんだと?
こんなに好きにさせといて、勝手に好きになったはないでしょおぉ!」



(終)